新人薬剤師で辞めたいと思っている方は多いでしょう。
やはり実際の仕事は薬学生だった頃に想像していたものとは全く違いますし、責任の重さもあります。
新人薬剤師はどうしても仕事のミスも多くなりがちですし、スキルが不足しているために忙しくもなりがりです。
テンパってしまうから余計にミスが増えてしまう・・・という悪循環にも陥りがちです。
それに加えて職場の環境で問題を抱えてしまっていたとしたら。
転職に真剣に悩むことも増えてくるでしょう。
新人薬剤師が辞めた後、転職先はどうなるんだろう?
どこに転職できる?
と不安に思っている薬剤師さんも多いのではないでしょうか。
結論からいうと、1年目の薬剤師でも転職は可能です。
しかし、転職すべきかどうかは安易に決めず、転職した方が良い状況なのかを見極めましょう。
新人薬剤師が辞めたいと思った時、
「どう転職するべきかを判断するか」
「どういった転職先を考えることが出来るか」
について解説します。
目次
新人薬剤師が辞めたい、転職理由
薬剤師1年目、新人時代だからこそ辞めたいと考える薬剤師は多いようです。
実際に働きだしてから分かる、理想と現実のギャップは確かにあると思います。
トゥイッターの新人薬剤師たち、退職してる人(or退職しそうな人)多くない?
— まるこふ@薬剤師Lv2?? (@Markov_nkv) August 2, 2021
1年目で辞めたい、職場行きたくないって思ってる薬剤師の人、結構いるんだな…
私は実習先がそんな感じだったから心が苦しくなる。— 雪華 (@n0tbelieve) May 23, 2020
入社して数か月、ゴールデンウイーク時期に退職について悩む薬剤師の方も多いのではないでしょうか。
新人薬剤師が職場を退職したい理由として、次のようなものが多く見られます。
職場の人間関係が悪い
薬剤師の職場はある意味、閉ざされた職場です。
調剤薬局、病院は特にその傾向が強いと言えるでしょう。
人間関係で合わない人がいる、最初は良好な関係だったがこじれて非常に難しい人間関係になってしまった・・・
パワハラ、いじめ、といった問題が生じている職場もあるかもしれません。
薬剤師の転職理由として人間関係は上位に挙げられます。
薬剤師の職場に限りませんが、職場の人間関係が悪い場合には、離職率は上がってしまいます。
業務が忙しく、ミスが多い
薬剤師の仕事量は、職場によって大きな差があります。
業務が忙しい店舗、病院の薬剤部で働いていると、それこそ休む間もなく業務が続く・・・といった状況もあるでしょう。
1年目の薬剤師はまだまだ仕事に慣れておらず、業務が立て込んでくるとミスも増えがちです。
上司から叱責を受けることもあるでしょう。
そうしたことが重なってくると、薬剤師の仕事は自分には向いていないのではないか、と考えて辞めたい気持ちが強まってくることもあるようです。
業務量の割に給与が低い
薬剤師の給料は職場によって差があります。
一般的に薬剤師の給料の高さは、
ドラッグストア > 調剤薬局 > 病院
です。
残業代の支給についても違いがあります。
サービス残業となる職場もあるかもしれません。
忙しいく働いているのに給料が安い、というのは働くモチベーションに大きく関わってきます。
ただ、病院薬剤師の給料が低いのはずっと言われていることで、必要な経験を積んだら転職する薬剤師は多いと言えます。
残業が多い
薬剤師の仕事で残業が全くない、毎日定時で帰ることが出来る、といった職場は少ないかもしれません。
特に新人薬剤師の頃は業務にも不慣れで、仕事の時間が膨らむ傾向にあります。
月に40時間を超える職場は、やはり残業が多い職場だと言って良いでしょう。
人手不足であれば、さらに残業時間が多くなるかもしれません。
残業が常態化している職場も中には実際あります。
どういった働き方を目指すのか、自分のプライベートの時間も大切です。
ライフワークバランスを取れる環境づくりを目指している企業、薬局も増えてきていますので、体調を崩すほど忙しい場合には転職も考えるべきかもしれません。
教育が受けられない
教育体制が整っていない場合、不満を感じてしまいます。
薬剤師1年目は様々なことを吸収して学ぶ時期でもあります。
学び、実践して自分のものとする時期です。
しかし薬剤師1年目のこの時期にしっかりと教育を受けられない場合、薬剤師に必要な調剤スキルなどを身に付けられない可能性があります。
2年目、3年目になると、指導してもらう機会は持ちにくくなります。
むしろ、知識がないのに後輩の指導をする羽目になり、辛くなります。
やはり大切なのは、先輩社員、上司からの指導です。
大手企業であれば新人に対しての教育体制が整っていることが多いですが、中小の調剤薬局、病院の場合には研修・教育体制が不十分なケースもあります。
新人薬剤師が辞めた後、どういう転職先がある?
新人薬剤師が今の職場を辞める場合、どういった転職先があるでしょうか。
大きくは以下に分けることが出来ます。
- 薬剤師としてキャリアチェンジをする
- 薬剤師を辞めて異業種転職する
せっかく6年間、時間とお金をかけて学び取得した薬剤師資格。
やはり薬剤師としてこれからも続けていきたい、という薬剤師さんも多いと思います。
まだまだ求人需要がありますので、自分に合った職場、働きやすい職場を探して転職をするのも手です。
ただし、短期離職が続かないようには気を付ける必要があります。
違う調剤薬局や職場で薬剤師として仕事を続ける
今の職場で心身の不調をきたすよりは、新しい職場を求めて転職をするのが良いでしょう。
キャリアチェンジとしては、
- 病院から調剤薬局、ドラッグストア
- 調剤薬局からドラッグストア、病院
- ドラッグストアから調剤薬局、病院
などが挙げられます。
スキルを身に付けるのであれば、病院薬剤師と言われますが、給料の低さがネックです。
今の職場を辞めたい理由として、年収が低いこともある薬剤師さんは、病院を選んでも同様の退職に繋がる可能性が高いので避けた方が良いでしょう。
大切なのは、
「今の職場をどうして退職したいのか」
を明確にして、次の転職先を選ぶ基準とすることです。
退職を繰り返さないことが、とても重要です。
薬剤師としてより働きやすい職場を求めるのであれば、薬剤師専門の転職エージェントを利用して、職場の内部情報を得てから応募されることをおすすめします。
詳しい情報を得てから応募することで、ミスマッチを防ぎやすくなります。
薬剤師専門、転職エージェント
薬剤師の仕事を辞めて、異業種転職
薬剤師としてではなく、それまでの経験を活かして転職することもできます。
製薬会社のMR。
化粧品メーカーや食品メーカーの開発職なども需要があります。
全く異業種転職を目指すことも、年齢次第では可能です。
異業種転職を目指す場合には、求人数が豊富な総合転職エージェントの利用がおすすめです。
未経験歓迎の求人も多く取り扱っていますので、転職先を見つけやすいです。
など、大手の転職エージェント利用がおすすめです。
特にリクルートエージェント、DODAは業界トップクラスの求人を取り扱っています。
ぜひ活用してみてください。
登録、相談などは無料です。
新人薬剤師が辞めたい時の対策
薬剤師として働き始めて1年目、色々と思い悩み、やはり今の職場を辞めたい・・・と思った時、実際に取ることができる選択肢は次のようなものとなるでしょう。
転職する
まず頭に浮かぶ選択肢として、転職する、というものだと思います。
ただし、今すぐに転職した方が良いのは、心身のバランスを崩してしまうような場合です。
職場でのパワハラ、いじめ、残業が多すぎることによる体調不良からの精神的な辛さなど。
健康を損ねる可能性がある場合には、早めに転職を決断することが大切と言えます。
もちろん、上司に相談して原因が解消されて、そうした恐れが無くなるのであれば良いのですが、原因が上司であったりすると逃げ場がありません。
様々なケースがあると思いますが、なんとなく今の職場を辞めたい、といった曖昧なものではなく、心身の不調をきたす恐れがある場合には転職した方が良い場合が多いです。
上長に相談をする
人間関係の問題、教育体制など上長に相談をして改善される可能性があるものは、まずは思い切って相談してみましょう。
相談することで、改善されなかったとしても、改善のために行動したが見込みがないので転職に踏み切ったという話ができます。
教育体制整っておらず、指導を受けられなくて不安・・・スキルが身に付かないといった不満がある場合、OJTを強化してもらうなどの対応を取ってもらえるケースもあります。
給与交渉をする
仕事内容、労働時間を考慮して、給与が低すぎるという場合には給与交渉をしてみるのも手です。
特に中小の薬局では人手不足になっても採用が難しいことも多く、辞められるくらいなら給料を上げて退職を思いとどまってほしいと考える可能性があります。
経営者次第とも言えます。
ただ、入職を決意する際の条件で給料については納得をしているはずですから、昇給は基本的には難しいかもしれません。
そのまま働き続ける
自身の能力不足によるミスが多く辞めたい場合には、そのまま働き続けて能力向上することで、辞めたい気持ちが無くなる可能性もあります。
ただし、教育体制が整っていることが前提だとも言えます。
新人薬剤師が辞めて転職するメリット・デメリット
新人薬剤師だからといっても転職は無理ではありません。
転職することは可能です。
しかし転職できるからこそ、その後の経歴をしっかりと考えて転職に踏み切ることが必要になります。
新人薬剤師が転職するメリットとしては、
- 新しい職場でやり直せる
- 実際に社会人として働いた経験から、しっかり職場選びができる
などがあります。
新人薬剤師が転職するデメリットとしては、
- すぐに辞めるのでは、というイメージを持たれやすい
- 次の職場が自分に合っている保証はない
といったものがあります。
やはり短期離職は良いイメージを持たれませんから、ジョブホッパーとみられないようにする必要があります。
次の職場では長く働けるように、しっかりと転職先の情報収集をして見極めましょう。
そのための情報収集の方法として、転職エージェントの活用をおすすめしています。
薬剤師1年未満の退職は転職活動には不利
薬剤師の仕事を始めて、遣り甲斐のあることばかりではないでしょうか。
1年目だからこそ、辞めたいと思うこともたくさんあると思います。
なぜなら新人薬剤師はまだ業務に必要な知識・スキルが不足していますし、業務上のミスも多くなってしまうためです。
患者さんとのコミュニケーションでも反省することも多いでしょう。
だからといって安易に1年未満ですぐに退職してしまうのは、やはり避けた方が良いでしょう。
薬剤師1年目、安易な退職は避けた方が良い理由
- 採用してもすぐに退職されてしまうのでは?と思われてしまう
- コミュニケーション能力を疑問視されてしまう
- 問題を起こした人材では?思われる可能性
短期退職の場合、上記のようなことを不安視、疑問視されることが懸念されます。
そのため人事担当者、面接官次第では、転職で不利になることもあるでしょう。
また1回目の転職は成功したとしても、その職場も短期で退職してしまう場合には、2回目の転職活動はかなり苦戦することが予想されます。
在職期間が短い職歴が並ばないように、職場選びをしっかりと行う必要があります。
また可能であれば、1年目で転職せずに2年目まで待つ、ということも考えてみてください。
転職もしやすくなりますし、短期離職の経歴を問われることも全くなくなるわけではありませんが、少なくなってきます。
新人薬剤師 辞めたい、まとめ
新人薬剤師が辞めたいときの対処法、どんな転職先があるか、といったことをご紹介しました。
1年目の薬剤師であっても転職することは可能です。
だからこそ、次の転職先をしっかりと選び長く働ける職場を選ぶことが大切になります。
情報収集には、転職エージェントの活用がおすすめです。
薬剤師として違う職場で働きたい場合には、
を活用する方法が良いでしょう。
異業種転職を目指す場合には、
でご紹介した転職エージェントを活用してみてください。
求人数が多いので、様々な業種・業界の求人情報を得られます。
いずれにしても安易に転職を選ばずに、本当に転職した方が良い状況なのかをまずは見極めることが必要です。
その上で、行動を起こされることをおすすめします。
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